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自宅、言語学の教室 [マイハーベスト]

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お寒うございます。

私が足を突っ込むと同時に布団の中にもぐり込まんと構えるミナサン(-1となってしまったトイプーたち)。

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お屠蘇気分で購入した電子ドラム到着。
玄関に積んだまま約1週間である。

未だ私は朝霞台の貸しスタジオ通いである。

そう。
この組み立てが難関。

こういう場合、普通は夫君が工具片手に甲斐甲斐しく立ち働いてくれるものだろうが、我が家の場合、コンセント抜けているのも調べずにTVが点かないと騒ぎ立てるくらい機械音痴夫だから、最初からさらさら自分がやろうなんて思ってない。

我こそはと思う方、募集中です。

さて、一週間以上ブログ更新が空いてしまった。

理由がある。

読んだ本が面白くて面白くて、絶対コレ、ブログに書きたい!と思うのだが、何しろ哲学系の本なので読み慣れないせいもあり、一度読んだだけでは意味が把握できないんである。
そんな本ならフツーはつまんなくなるでしょうと思うが、面白いんである。

哲学ってどうでもいい事象を人間の深層心理まで掘り下げて、無理矢理理屈をくっつける学問っていうイメージで、一時次男が大学院在学中にゼミの読書会に入って凝っていた時、私も何冊か哲学書系にトライしたが挫折の連続だった過去がある。

哲学なんて何がおもしろいんだかなー。
ネコはネコ、イヌはイヌでいいじゃん。

しかしこの本を読むと、イヌという語の意味は何か、ではなく、イヌという語の意味を理解しているということはどういうことなのか、を考える局面に立たされる。

3回、読み直した。
3回、読み直すモチベーションを途切れさせない面白さがそこにある。
新書版には3回分の付箋が貼られている。
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ご紹介しよう。
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「言語学の教室 ー哲学者と学ぶ認知言語学」(西村義樹・野矢茂樹著/中公新書)

認知言語学とは耳慣れない言葉だが、「私たちのものの見方・感じ方・考え方、そしてまた生き方や行動様式という観点から原語をとらえていこうという学問」(本文抜粋)のことである。

これだけ聞いただけで即アレルギー反応を起こされる方もおられようが、要は、ほとんどの方が無機質でつまんなくて学生の時苦労させられたぜと思っている文法解釈では割り切れない構文のニッチな部分をちょっとヒューマニスティックな視点から眺めると、なーるほどと言えるようになるよ、って感じかな。

例を挙げるのが一番早いんだが、誰かから何かをされたわけでもないのに、受け身の文で「雨に降られた」というのはごく普通に使うが、「財布に落ちられた」とは誰も言わない。
これはなんでなんだろう、という投げかけから二人の言語哲学者の討論は始まる。
(あ、これは、西村・野矢両氏の対談形式で書かれています)

「ダビデがゴリアテを殺した」と「ゴリアテはダビデに殺された」は同じ意味か。

「太郎が花子に話しかけた」と「太郎が花子に話しかけてきた」との違いは何か。

日本人としてはそんなこと考えたこともない、考えてどーすんだってレベルの話しをあえて理屈で掘り下げてみるのは、今日自然に使い分けている文章が今まで学校で習ってきた文法ではどうも説明がつかないから。

とりわけそこが、日本語を学んでいる外国人からはどーにも分からないポイントになるのは自明の理だろうし、逆にその日本語に慣れ切ってしまっている我々が英語を学ぶ時にやりにくいところでもある。
日頃英語を勉強する時に、「あー、この和文は訳しずらいなー」とか「えー、英語じゃこういう構文になるのぉ?」と躓くところは、ことごとくこの本を読めばその理由が分かる。

その白黒付けきれていない部分を、普通我々が言語的ではない(=文法の問題ではない)と想定している心の動きまで考慮に入れて解明しようというのが認知言語学なんである。
(ふぅ〜、うまく説明できたかしら?)

「雨に降られた」「彼女に泣かれた」が受け身で表現されても自然なのは、認知言語学的に言えば、”迷惑受身”(間接受身=「叱られた」vs「叱った」のように直接対応する能動文を持たない受動態)の条件を満たし、自分ではどうしようもないことを人格を持たないモノに”されちゃっている”状態(つまり自分が受身の状態)にある時である。

迷惑受身が成立するには人間臭い条件が3つあって、①それをされてイヤだなと思う気持ち(受苦)、②自分ではどうしようもなかったあきらめの状態(締念)、③自分の管理下にない状態(他者性)を定義づける。

財布は自分で管理が出来るものであるから③の条件が抜けているわけで、そこには迷惑受身が成り立たないんである。

・・・で「雨に降られた」はよくて「財布に落ちられた」はおかしいんじゃないか、と。

まあ、こんな具合に「よく考えるとなぜ?」という言語や文法を解析していくわけだ。

そんなに厚くない新書なので、3回読むファイトがあるなら、是非読んでみてください。
ホントにおもしろいです。



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